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栢工裕史さん(7.5期生)が「地方創生人材支援制度」により青森県三戸町へ派遣決定

 地方創生人材支援制度は、政府(まち・ひと・しごと創生本部)が、地方創生に取り組む地方自治体が重点分野(インフラ、農林水産、子育て、観光・広報など)を推進するにあたり、必要となる知識や経験を有する国家公務員や大学研究者、民間人材を、市町村長の補佐役として派遣し、地域に応じた「処方せんづくり」を支援する制度です。
 このたび発表された平成28年度派遣者として、2015年3月大学院経済学研究科公民連携専攻を修了した栢工裕史さんが、2016年5月から青森県三戸町に派遣されることになりました。

 栢工さんは、元政府系機関職員、自治体幹部職員としての長い経験を有し、公民連携専攻シティマネジメントコース修了後も、本学のPPP研究センターのリサーチパートナーとして公共施設マネジメント、公会計の研究を続けていました。

 今回は、三戸町が取り組む総合戦略の推進に関する、企画および総合調整を担う参事地方創生推進監(常勤)に就くことになります。派遣対象は58市町村(39市、17町、2村)ですが、その大半は国家公務員が派遣され、大学からの常勤派遣者は栢工さん1名のみとなりました。

栢工裕史さんの派遣が決定したことを受けて、くわしい経緯などを根本専攻長に伺いました

根本専攻長(左)と栢工裕史さん(右)

Q  今回の地方創生人材支援制度による派遣は、大半が国家公務員で、大学からの常勤派遣者は栢工裕史さん1名のみだったということですが、大学からの派遣は難しいことなのでしょうか?
根本先生  国が持っている情報をいち早く入手し、逆に地域のニーズを国に伝えるためには、国家公務員が重宝がられるという事情があります。このこと自体、自治体の立場としては合理的ですが、逆に、大学の研究者でなければ持てない利点もあります。それは、定量的な地域分析であり、過去の失敗や成功事例の客観的評価であり、地域同士の広域連携の視点や民間の視点などです。三戸町さんには、東洋大学がこうした人材育成の取り組みを行ってきたことをご評価いただいた結果だと思っています。
Q  三戸町の地方創生を実現するために栢工さんへのヒントというのはありますか?
根本先生
 それは栢工さん自身の宿題ですね(笑)。ただ、公民連携専攻で支援している岩手県紫波町の事例が参考になると思います。大学として取り組んだ最初の研究報告書に「人口60万人の市場」というキーワードがあります。紫波町は人口3万人の町ですが、周辺に盛岡市、花巻市、北上市という都市があり全部合わせれば人口60万人ということになります。「地方創生の優等生」と言われる紫波町の今の成功はこの発想の転換があったからこそだと思います。三戸町も同じように、近くに八戸市があり、少し離れますが青森市、弘前市、盛岡市もあります。少し広域的にマーケティングすれば新しいアイデアが出てくるのではないかと思います。
Q  お話に出た岩手県紫波町のオガールプロジェクトが昨年度の日本ファシリティマネジメント賞最優秀賞を受賞したというのは記憶に新しいところですが、これも人材育成の成果の表れと言うことでしょうか。
根本先生

 オガールプロジェクトには、官民双方のキーパーソンに修了生が1名ずつ入っています。元々地元で働いていた人材が、駅前に塩漬けになっていた未利用地の開発という地元の課題を大学院に持ち込み、教員だけでなく院生仲間も一緒になって解決方法を探しました。ただし、今話題になっている「民間からの地代収入を図書館の維持管理費にあてる『稼ぐインフラ』の仕組み」、「日本で唯一のバレーボール専用体育館というピンポイントマーケティング」などは彼ら自身が自分たちで考えたものです。大学としては、自分の頭で考えられるような実力を身に付けてもらうこと、悩んだ時に気軽に相談に乗ってあげられる環境を維持することが大事だと思います。

関連:紫波町オガールプロジェクト

関連:日本ファシリティマネジメント大賞最優秀賞を受賞

Q  今回派遣される栢工裕史さんは、公民連携専攻の在学時代はどんな学生でしたか?
根本先生

 栢工さん自身、実は私より年長で社会人としての経験も豊富です。元々国際関係の政府系機関の職員として長い経験をお持ちで、その後、自治体の幹部職員、民間コンサルタント会社役員の経験もあります。その上でシティマネジメントに実際に携わる機会を得ることを目的に公民連携専攻に入学されました。

 一般的に、本業をリタイヤした方が大学院で学ぶのは、ご自分の今までの経験をまとめるためと考えられていますが、公民連携専攻の場合はこれから現場で活躍するための準備と言う方が多いです。栢工さんの場合も、目的の実現のために、公共施設マネジメントや公会計の研究に携わるほか、さまざまなプロジェクトにも積極的に参加していました。公民連携専攻には20代の若手から60歳代まで幅広く業種も立場も様々ですので、多様なネットワークを築かれたと思います。

Q  地方創生人材支援制度にたいして、公民連携専攻はどのような貢献ができますか?
根本先生
 人を育て、現場に送り込み、応援する。これにつきますが、世界のどの大学よりも環境が整っています。現場で活躍したいと考える多くの人材に入学をおすすめします。