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大高さん(12期生/大和リース)×根本教授 社会人の大学院ライフ

 <大高さんの回答>大学院に、進学しようと思った動機、経緯は?

 私は企業内で官公庁向けの営業を8年間行っておりました。公共建築物は税金を使用して建設するため、要求された仕様を満たすべく責任感を持って仕事をしておりましたが、経験を積むにつれ要求された水準を満たす事のみが社会にとってベストプロポーザルなのか疑問に思う事もしばしばございました。

 他方で、PFI法が施行してから18年が経過し600件を超える事例がございますが、その多くは設計・建設・維持管理・運営の全部又は一部を一体的に扱うことによる経済的恩恵を受けており、さらに質の高い公共サービスの提供も期待されているように感じます。

 いつかは私もPPP/PFI事業にも挑戦してみたいと思う気持ちが芽生える中で、ある日東洋大学の公民連携専攻のHPを拝見すると…。まさにPPPの教育拠点であり、私が挑戦したい事を叶えてくれる場所だと直感で思い、3月入試の受験を決意したのが主な経緯となります。

 <大高さんの回答>ご出身、職歴などを教えてください。

 私は、北海道の札幌市出身です。札幌市は、ご周知の通り北海道にある政令指定都市に指定されており人口は190万人を有しております。少年時代は、サッカー、水泳、スキーやスノーボードと、体を動かすことが好きで、外で遊びまわっていた事しか思いつきません。

 職歴は大学卒業後、現在の会社に入社。札幌支店、福島支店、熊本支店(震災応援による社内派遣)を経て、2017年4月に東京本店に異動となり、現在は中央省庁を始め官公庁向けの営業に携わっております。

 福島支店在籍時に東日本大震災を経験した際、復旧・復興に励む中で、全国の皆様から多くの支援を頂いた時の感謝の気持ちは今でも忘れません。震災における復興事業を通じて私自身を育てて頂いたとさえ今では思えます。少しでも恩返しをしたいという思いがあり熊本地震の際は、自分が被災した経験を活かしながらどうすれば復旧、復興が迅速に進むのか考えながら我武者羅に働いた事を覚えております。

 2017年の4月に社内における東洋大学への留学制度を通じて東京本店へ異動し、社会人と学生の二刀流の生活を行っております。

 <大高さんの回答>大学院で学んでみて気づいたこと・発見したことはありますか?

 大学院では学ぶ事による発見もございますが、周囲の生徒と何気ない話をする中でも実務で活かせる気付きを与えてくれる事がございます。私は授業中静かに勉強し、期末にはテストを受け、修了前に論文を提出するといった先入観を持っており、学校には知識を得るために通うものだと思っておりました。

 しかし実際は国籍も年齢も立場も異なる方がこの門を叩いている訳で…授業中でも遠慮なく質問から飛び交いそこから新たな発見も生まれます。ゼミで議論する時も色々な意見が出てきます。時には熱い討論になったり、論点が大幅に逸れたけど新たな気付きが生まれたりと公民連携専攻ならではの気付きや発見がございます。

 遠隔で受講される方※1もモニター越しにいつでも話せる状況にあるのでネット環境さえ整っていればどこからでも受講可能です。

 ※1 インターネットを利用した遠隔授業システムにより、遠隔地からでもリアルタイムで受講可能です(通信教育ではありません。一部通学が必要です)

 関連:インターネット通学制度

 <大高さんの回答>なぜこの大学院を選んだのか?

 私がこの大学を選んだきっかけは社内の公募によるものです。ここ3年間社内で1~2名程度大学院に留学しておりますが、私は既存の業務調整や受験の決心が出来ず挑戦するまで3年かかりました。大学院の受験を決心したきっかけは、受験前に根本教授、サム田淵教授と個別面談する場を設けて頂き、そこで、入学前の心構えや院生生活の具体的なスケジュール、入学してくる生徒の傾向などをお聞き出来、多くの不安が解消出来た事です。悩んでいる方がいれば受験前に教授と直接面談出来る機会もございますので是非活用してはいかがかなと思います。

 関連:入試個別相談

 <大高さんの回答>大学院の魅力は?

 私が大学院で感じた魅力は大きく3点ございます。まず授業のカリキュラムが多種多様でそれぞれが濃密な内容となっております。アカデミックな講義から、実際に受託している業務の補助、さらには海外プロジェクトまで数多くのメニューが用意されております。講義は1コマ90分×15回が1科目といった構成で、基礎的なインプットを行う科目もあれば各論の応用や深堀した科目もございます。私は建築学科出身であり経済学についての知識はございませんが少人数制での授業が多く、疑問点は遠慮なく質問出来る環境です。どれも魅力的な授業ばかりで必要単位を大幅に超えて修了して方が多くいると聞いております。

 次に共に学ぶ同期(12期)の方の存在です。同期の方は官民問わず多くの刺激になります。社会人になってから同じ志を持った仲間に巡り合える機会は実は多くないと思います。同期に限らずOBの方とも交流する機会もあり、これからもこの大学院の人脈は広がり続けるのだろうと感謝しております。

 最後に、学生という身分も手にすることです。(笑) 私もまさか…と思っておりましたが、31歳にして学生証を手に入れました。普段の生活でもメリットがあり重宝しております。

 <大高さんの回答>論文の研究テーマは?

 テーマは決めかねておりますが、ある統合小学校の新設事業の事例を分析し、どのような効果が出たか研究することを現在は考えております。この事業はとある町が複式学級を回避するために4つの小学校を1つに統合したのですが、既存校舎の増築ではなく新設で校舎を整備したこと。もう一つは児童の通学のために交通の整備をも一体的に実施した事が特徴です。

 現在試算した限りでも正の効果が出ており、今後検証を続けるうえでも様々な効果が秘めていると考えております。日本では公共施設の再編を推進する一方で、厳しい財政状況の中で新規の公共投資については厳しく問われる傾向がありますが、この事例をヒントに新設を選択肢に入れたうえで公共投資の再編が出来ないか…といった提言まで発展出来ればと考えております。このような1つの事例の経済効果が検証・証明されれば次々と他の自治体にも波及出来るのではないかと期待を寄せております。

 <根本教授の回答>単純な公共投資にもPPPは活用できますか?

 東洋大学が考えるPPPとは、社会的な費用対効果の最大化問題です。民間が行うことに意味があるのではありませんので、公共投資にももちろん応用できます。従来の公共投資は、国や自治体が定める細かな仕様をいかに安く作るかがポイントでしたが、現在は、総合評価方式や性能発注方式が増えてきており、単純な公共投資であっても民間の知恵は必要です。言い換えると、民間の知恵がないと、つまりPPPのセンスがないと公共投資もできない時代になってきたと言えます。

 院生には、自治体、建設会社の土木・建築技師が多数います。もはや、公共投資とPPPと民間投資の垣根はないと言っても過言ではありません。

 <大高さんの回答>指導を受けている「教員」との「エピソード」はありますか?
 最初のゼミでPublic Private Partnershipとは何ぞや?といったお題に対して少し議論する機会がありました。議論を深めていく中で官側の生徒と民側の生徒で若干の解釈が異なり驚いた事を今でも覚えております。純粋公共財から私的財までの中間層にある領域全てにPPPの可能性が秘めていると思います。これからこの大学で学ぶ事が公民連携の全てと考えるのではなく、今後も実務を通じて学んだ知識を応せ、新たなPPP事業を生み出す事が責務だと感じております。
 <根本教授の回答>PPPの可能性とは?
 公共経済学には「大きな政府」、「小さな政府」という概念があります。政府の役割を大きく見るか、小さく見るかの違いです。日本は伝統的に「大きな政府」ですが、政府に依存しすぎたが故に先進国中最悪の財政状態を生んでいます。「小さな政府」は基本的には正しい考えですが、すべてを民間に委ねることは不可能です。できるだけ民間に委ねて良質なサービスを提供しつつ政府のウェイトを小さくし、同時に、政府にしかできないことは政府が行う、これがPPPです。先進国でも新興国でも今やPPPは経済政策の要です。PPPなしで世界経済は動きません、そうした中に我々は生きているということです。PPPには無限の可能性があると考えています。
 <大高さんの回答>現在の1週間のスケジュールは?
月曜日  会社。社内で1週間のスケジュールを確認。夜間は大学での講義。
火曜日  会社。翌日のゼミで発表する時はゼミ資料の作成。
水曜日
 会社。(ノー残業デイ)。夜間は大学院でゼミ・講義に出席。終了後に同期と少し飲みに行くこともしばしば。
木曜日
 出張。東京→気仙沼。授業を取っていないため出来るだけ出張は木曜日に調整。
金曜日
 会社。夜間は講義を受講。受講後に教授や受講生の方とちょい飲み。
土曜日
 朝から夕方まで大学院で講義を受講。平日遠隔で講義を受けている受講生が東京に来る事も多く、終了後は白山にて交流会を実施。
日曜日
 休み。レポート等の課題&リフレッシュ。

  大高 誠一郎 さん

公民連携専攻10期生(2019年3月修了予定、PPPビジネスコース)
大和リース株式会社

北海学園大学建築学部を卒業後、大和リース(株)に入社、札幌支店、福島支店、熊本支店(震災復興派遣)を経て2017年に東京本店に勤務。

PPP/PFIについての理論と体系について整理したいと考え、2017年4月東洋大学大学院経済学公民連携専攻に入学。

保有資格:宅地建物取引士・FP・エコ検定

掲載されている内容は2018年1月現在のものです。