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紫波町オガールプロジェクト




 岩手県の紫波町役場の職員である鎌田千市さん(2008年修了)は、紫波中央駅前に位置する10年間使われていなかった約10ヘクタールの町有地を活用して、財政負担を最小限に抑えつつ官民の複合施設や運動施設、公共施設、宿泊施設等を整備し、複合的経済開発を公民連携(PPP)で実現するため、官側として教育派遣で公民連携専攻へ入学しました。

 学校法人東洋大学は、岩手県紫波町(藤原孝前町長)との間で、公民連携によるまちづくりについて、「紫波町との公民連携の推進に関する協定」を締結、調印式を行いました。これは、本専攻が教育研究活動を基盤に具体的なPPPプロジェクトの実践に向けて、地方自治体と連携する「地域再生支援プログラム」の第一弾となりました。

 サム田渕ゼミにて、他の院生メンバーと共に、紫波中央駅前を対象としたPPP導入可能性調査を実施。その結果、紫波町は人口33,000人の町ながら、盛岡、花巻、北上という都市圏60万人の中央に位置するため、市場ポテンシャルを生かしたPPPが充分に可能という結論を出しました。一連のプロジェクトは、紫波町の民間プレイヤーである岡崎正信さん(2007年修了)を中心に「紫波町オガールプロジェクト」として、税金だけで運営することが常識の図書館に民間店舗を併設することにより、公共施設の集客力を起爆剤に地元企業の経済活動を活発化させ、得られた地代収入で図書館の維持管理費に充てるという「稼ぐインフラ」のサイクルを生み出しました。

 現在は、紫波町が運営する交流館・図書館・子育て応援センターに、産直・カフェ・クリニック・学習塾などの民間テナントで構成される「官民複合施設」であるオガールプラザを始め、宿泊施設、スポーツ施設、クリニック等を併設する開発も進み近隣市町村からの来訪者も多く、大きな賑わいをみせています。

 公民連携によって進められたこのプロジェクトは、地方創生の成功事例として、全国的に大きな注目を集めており、2013年度には土地活用モデル大賞の「国土交通大臣賞」を受賞、2015年度には「日本ファシリティマネジメント大賞最優秀賞」に選定されました。

自治体職員が自ら、

地域の問題を解決する

知識と手法を学ぶ重要性

公民連携専攻長 根本祐二

 公民連携専攻は世界で唯一の公民連携(PPP)専門の社会人大学院です。皆さんは、このままでは自分の地域が置かれている環境が厳しくなる一方で、今後、PPPが大きな役割を果たすだろうということも気づいているでしょう。しかし、反対の議論があることも事実です。悩まされている方も多いと思います。

  • 公共的なサービスは効率が悪くても仕方ない
  • 公共施設を再編することは絶対反対である ・地方の閉塞は自治体の責任であり市民には関係がない
  • 民間に任せると公共性が損なわれる ・民間に関心を持ってもらえるほどの市場がない
  • 地元企業を保護するためにはPPPは良くない ・PPPは公共サービスだから民間がもうかるのはけしからん

 大学院では、こうした厳しい問にも明快に答えるための世界最先端のPPP理論を学びます。その上で、院生が持ち込んだ現場の課題に答えていきます。紫波町の成功例も発端はこうしたアプローチでした。働きながら学ぶことは簡単ではありませんが、全国の多くの仲間と悩みと処方箋を共有することで、他では経験できない喜びを得られると思います。

 本専攻には、インターネットを使った遠隔授業システムを導入しており、日本全国・海外からもインターネットが繋がるパソコンがあれば、授業に参加できます。また、奨学金や、欠席した授業の録画提供などサポート体制も充実しています。地域の課題は自らで解決する!志を持った皆様を、公民連携専攻はお待ちしております!