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"朽ちるインフラ"が発行されました

"朽ちるインフラ"が発行されました

朽ちるインフラ発売前から話題を呼んでいた、根本祐二専攻主任の”朽ちるインフラ ~忍び寄るもうひとつの危機~”がいよいよ日本経済新聞出版社から出版されました。

我が国の公共施設・インフラは、戦後復興期から東京オリンピックの前、高度成長期、バブル崩壊後の景気対策期を通じてほぼ一貫して整備されてきました。これらが、今いっせいに老朽化しています。今回の東日本大震災でも、比較的軽度でありながら使用不能に陥った建築物が多数あります。このうちのかなりの部分は老朽化が原因と考えられています。

では建て替えればよいのかといっても、問題は簡単ではありません。近年、公共投資予算は大幅に圧縮されてきました。「減少する予算で増大する需要をまかなわなければならない」矛盾が生じており、日本全体では、今後50年間、少なくとも財源が3割不足していると試算されています。この財源不足を、OECD諸国中最悪の財政状態と、少子高齢化による税収減少や社会保障費の増大の中でまかなわなければなりません。

本書はこうした矛盾を背景に、まず、各地域ごとに予算不足額を把握することの重要性を指摘します。そして、基礎データさえ把握すれば手軽に計算する方法を解説しました。先行している自治体の調査結果では、従来の予算の数割、地域によっては数倍の不足が見込まれています。一刻も猶予のない状況に陥っていると言えるでしょう。

また、解決のための処方箋をリストアップしています。複数の機能の一つの施設への複合化、インフラの寿命を延ばすためのインフラマネジメント、余剰地を活用したPPPプロジェクトの推進、公債や増税に依存しない民間や市民の資金の活用など7つの対策です。さらに、東京都狛江市、神奈川県藤沢市、秦野市、埼玉県宮代町などいくつかの自治体の先進的な取り組みとして、公共施設マネジメント白書や民間提案制度を紹介しています。

老朽化は、震災と違って100%確実に起きる人災です。言い換えると100%避けることができるわけです。想定できることに対処しなかった場合の崩壊のシナリオがプロローグに描かれています。従来通りの慣習にとらわれた結果、国民の生命はもちろん、国家の財政までも崩壊していくさまがはっきりと映し出されました。

しかし、平時に起きている”緩やかな震災”は、日本人の力と知恵で乗り越えることが可能です。安全・安心で費用対効果の高いインフラを整備した再生のシナリオがエピローグに描かれています。日本が社会のつくり方の模範となり、世界をリードする理想像です。その実現には、先送りにしない官民市民の責任感が不可欠です。大きく理想像を実現するために、本専攻としても尽力していきたいと考えています。

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